2018-01-01から1年間の記事一覧
啓蟄過ぎ、冬の眠から先へ。大切な箱。蓋は重くって、開けて、開けたところで私は尽きてしまって。中が今どうなっているかわからないままでいる。全て、大事なのは全部入っているはず。箱は深いところにあって、上げてくるまででも長い時間がかかって、息を…
春の風。強すぎる風。全部習ったのに、一つも覚えがない。形容のし用がなく、筆舌乾き。春の風に猫の芽が揺れているのを見たのは何時だったか。
喉の奥のところ。感じ取る器官、夜も止まらない器官。熱が流れて水を口に。目を閉じて口元に指。いつだって星に引かれている。
傷と指先を仕舞い込んだまま、私は小さく小さくしている。空耳の声で空が鳴っているのが聞かれ、名前があった。
天気が悪いと視程は悪いが、天気が良くっても視程が良いとは限らない。今日は視程があったので、天気は良かったのだろう。爪と髪は伸びていき、目は見えなくなっていく。
石を見て、美しいと思った。木の過ごした時間を想像して圧倒された。また乾いて土は立ち、雨を含んで落ちていく。まるで正しいように、長くあって。屹度に、正しかったのだろう。私は身体で出来ていて、音や匂いや味がする。
石。
快晴。冬、グローブを着けていると、私の手の小ささが隠れる。影の所や集めた所は雪が残っていて、新雪の部分は表面が何度も解けて凍った様子でキラキラとしている。少し、歩く。思い出される。痛む。
ショーや祭り、徒花で外連味に感じられて。今日はお水を飲みました。”今日は”を付けると、まるで特別そうでしょう。
特別な実。特殊な色。口を塞いで、目を塞いで、血が固まって塞がれる。香り沙、冷たいのが流れるから、息をして息をして胸に胸の熱を燃えさせている。肺を一つも二つも使って。愛。息をして息をして胸に胸の熱を燃えさせている息をして息をして胸に胸の熱を…
赤、黄色。歓ばせることはなく、色は褪せ、月(月?)へ還る。白。左右で偶。脱走の階段。角も石も濡れ、実を結ばない花と外連味が芳しく。
膜は虹色。雲は白色。鏡は銀色。紫と褐色を口元に。ついのいろ。
とても天気が良かったの。儚い先に途方無く。途方無い内に儚さも。
冬降らず。午睡未遂。カレンダーが表紙のままで、捲れないで過ごしている。
逾、子供の産めないこの身体を厭い、腹部に手を当てている。私は、私はあの人が欲しかった。