徒花外連味

ともの2。 TOMO's since 2005

「プリマ・オルガネラ」

お話をしよう。
物語。
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世界には、たくさんの人が居る。其れはもう多くてね、全員の事なんて誰も把握できない。
屹度、神様だって分からないだろうね。
色んな人がいる。
大きな人
小さな人
男の人
女の人
初めて文字を作った人
初めてベーコンを作った人
卵を割るのが得意な人
上手く鉛筆を削る人
歌う人
聴く人
あの人
此の人


14人よりは、もう少し、もっと多い人がいるね。
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今日は、誰の話にしよう。
ある魔法使いの話。
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いずこの空と、いつかの海に。

昔、世界はまだ地方ごとに分かれ、それぞれに支配する神を抱き、異なる理を持っていた頃のお話し。
ある地方では「想像の力と名付け」が世界を定め、またある地方では「大いなる意志と律」が生命の循環を縛っていた。

そして、このメルヴの地では、神から与えられた高貴な血統の証としてプリマ・オルガネラという生体器官が支配的な理となっている。そこから生み出されるエネルギーを魔法使いは「魔力」、武道家は「気」、術師は「念」と称した。
この地には過去遺構である”塔”の側に町がいくつもあった。国からの潤沢な補助を受け、命を賭して塔を潜る者たちは穿孔潜り貢納士団を作り、彼らが持ち帰る素材は国を大いに潤した。世の英雄だった。
一方で、ただ自己の欲求のみのために孤独に塔の闇へと消える者は追憶者と呼ばれた。

ある日小さな村で角の生えた子供が生まれた。彼は生まれた村で異形と扱われた。極端な血統主義のメルヴの地において、高貴な血を持たない寒村に生まれた彼の角は、祝福ではなく「塔の神への最高の贄」とされてしまった。贄として捧げられる寸前、彼は偶然にもその運命から脱し、短剣一つで逃げたのだった。

後に、彼は屈強な魔術師となった。いや、屈強だったかは別として、杖ではなく短剣を振り回すような奴だった。
白い角を立てた彼は追憶者としても異様だった。魔法使いというものは、魔法使いという職業は、戦闘したあとの糧食のために、数人のパーティを率いて塔を潜る。けれど彼は魔法使いにして単独行動・長期行動もって塔を攻略していた。
プリマ・オルガネラを僅かにしか持たない彼は大鍔帽子の代わりに真っ白い角を立て、手には使い古された、けれど魔力馴染みの良い一本の短剣。
彼が塔へ潜るのは、塔で得られる「渾身の一滴」と呼ばれる超純粋糖の収集が目的だった。
渾身の一滴を口にした彼は、何者よりも優れた魔法使いとなる。
そのときの彼には、塔内に普段は見えない不思議な文字が記されていることに気づく。

超純粋糖を口にして血糖値が最高潮に達した時だけ、彼の目に浮かび上がる不思議な文字。これは塔のデザインCSSのコメントアウト(未来ではこれを熱力学式として科学してる)だった。血糖値スパイク状況下での彼の網膜は塔という物質そのもののレンダリングをパスして、世界のレイヤーを一枚めくったソースコードを直視してしまっていた。
過去の遺物を作りし存在を知り、彼は「ならば、この完全なシステムを支えている大元の神とは、一体どんな美しい、あるいは高度な論理構造をしているのだろう?」と最深部を目指す決意をする。
塔内の文字は多くのことを彼に知らしめた。
彼の角は、先祖返りであり、失われた純粋なプリマ・オルガネラに適応した完全な器官だったこと。メルヴの国が「高貴な血統」と崇め、穿孔潜り貢納士たちに仰々しい魔道具を与えて維持させている現代のプリマ・オルガネラこそが、実は「時代を経て退化した、不完全で燃費の悪い不良器官」に過ぎなかったこと。
そして、おそらくはこの塔はすでに管理の手を離れていることを。

塔の最深部、赤黒い脈動する瘤と大理石が同化した大空洞。そこに鎮座するのは、巨大な肺と心臓が引き裂かれ、剥き出しのままガラスの器に収められたような半生体機構だった。神はすでに意識と呼べるようなものは、思考と呼べるものは切除されていたのだった。メルヴの地から吸い上げた熱量を呼吸のように処理し、また送り返すだけの器官がそこにあった。彼が贄にされかけたのも、神が彼を欲したからではなく、この器官が最もエネルギー効率の良い角を持つ物質を物理法則として磁石のように引き寄せようとしただけだったのだ。

その白い角は疵であったが。美しいまでの疵だった。
彼は滔々と述べる。
「もはや汝らは終わりだ。未来永劫、我が影の下跪き、この呪われた土地にしがみついて生を終えるしかない。汝らは歓びともに朝日の登るを目すること叶わず。安堵とともに夕日の沈むを目することなし。これより、汝らは暗黒の中に生き、暗黒の中に死す。哀れなる土塊ども、我が身の不運を嘆くが良い。絶望が汝らの糧となり、死が汝らの安らぎとなる。」
白熱した角は砕け、突き立てられた短剣は燃える。メルヴの終わりだった。

やがていつかはあなたの子らにも。
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「象牙の塔」2

 ファンタージエンの中心、すべてを見下ろす象牙の塔の頂き。そこから彼の国を幼心の君は思う。
 ああ、あの子は理を自ら壊すようなことをして、創造維持をできなくなった神として、私の印の元に討たれるのだろう。継がれることのなかった黄金の一族に、あの子の産まれに、望みを統べたもう金の瞳の君の頬は濡れるならばせめて、あの地を新たなる光が差すればと、アウリンを携えた褪せ人の成功を願い。欠けた指先の熱い感覚を、もう一方の手で包み込む。
 狭間の地にてマリカが黄金律を掲げる以前のことを、まだ稀人の巫女であったマリカは一時エルフェンバイン塔を訪れたことがあった。傷を癒す間もなくの旅の先に、少女であったマリカはその黄金の髪だけをもって神聖を羽織っていた。

「私の暮らしていた土地では、多くの争いがありました。竜と巨人と人、そして人同士でも。ここファンタージエンのように、貴女のように私は国を作りたいのです。黄金の瞳の君より授かりし影従マリケスには、私を大いに支えて頂きます。私たちは必ず宵闇の女王に勝るでしょう。然るべき時が来れば私は、私の王となる者を見つけます。導きが見える良き王となる者を。」獣の従者を従え、マリカは狭間の地の平定へ向かったのだった。

昔乗っていた自動車の色、薄らくすみ黄色が好きだった。

今日は、誰の話にしよう。
薄らくすみ黄色の自動車の話。
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いずこの空と、いつかの海に。
最初はとても小さい車だった。というか軽だった。ワゴンRじゃった。
そんなKeiの中で、ちょっと大きい普通車のサイズにしてもバレへんのでは、というようなスズキのいつもの思惑が育っていった。
それから少しして、なんだかんだ”黄色い個体”は産まれたの。
かいらしい薄らくすみ黄色、大きいドアー、ガソリンも選ぶ、でも、私は不便な”黄色ちゃん”に惹かれたのだ。
悪魔みたいな子だった。最後まで愛してた。
やがていつかはあなたの子らにも。

価値は三千大千世界なり。

小説を読む、映画を見る、ゲームを解く、之をして(一時として)別の小世界を自らの内に得る乎と也。(空想・虚構作品の中ではひとは一時的に別の世界にいけるといえるのではないでしょうか)
今の現代に、個個人に許さるるこれらの体験、行為はワンダ(wander:あてもなく歩く、彷徨う)であり、得るのはワンダー(wonder:驚異、不思議)である。三千大千世界の価値たる宝珠は書店・映画館・ニンテンドーオンラインストア等で絶賛公開中です!

最近没入した物ではプロジェクト・ヘイル・メアリーとDQ7Riとぽこ・あ・ポケモンがすごく良いワンダーで、少し成仏できた。

「彼は生まれてからずっとこの街に住んでいる」2

 年齢も重ねて、夭折という言葉の指す範囲も広がってきた。要するに自分よりも若い子の死が夭折なのだろう。大人になって、何年も隣り合うことのない知人も増えた。”いるか、いないか。人の状態は、この2つしかない”と言う。だからみんなもういないのだ。

 本当に若くして上がりを迎えたあの子は、だからずっと私の友人として、望みを統べたもう金の瞳の君然として思索の塔での話し相手を果たしてくれた。更新も同期も失ったあの子から、それ以上を私は奪っている。

 草薙水素は私に言うだろう。
「奪っているなんて、随分な思い上がりだ。時を止めた人間に、もう奪われるものなんて何一つ残ってはいない。君が彼から奪っていると錯覚しているものは、ただ君自身が零している時間の残骸だ。頭の中に永遠の子供を囲って、なんとか自分の輪郭を現実にしようと慰めているに過ぎない。
 上がりを迎えた子供は、もう大人の退屈なゲームには付き合わない。彼を勝手に盤上に引き摺り戻して、孤独な一人芝居を続けているだけだ。
 ……それでも、その思索の塔からどうしても彼を降ろさないと言うのなら。私が、君を。」

 *わたしについて。

Author:Torno Kuyomo Reico
ともです。

江国湖畔に住んでいます。イタチ飼いでした。
嗜む程度に莨と珈琲依存。趣味は繰り返すこと。好きな人や物が多すぎたはずなのに、思い出せないのだわ。

風にあたると風邪を引く。