自由の国に生まれたので、自由に思っていいそうです。
誰をどう思おうと勝手です。思っている分には、大丈夫です。
けいこく。
彼の姿を始めてみた時のことは覚えていない。今となって揺るぎなくなってしまった私からの彼への評価は、又改めて彼と出会うことが出来たら変わるのだろうか。他の角度から眺めた姿に、多分私はもう一度、傾国と、そう思うだろう。
私が思うところに、彼は傾国だ。異常に良い見た目、と言い換えられるだろう。もしもこの手に一国を持っていたら、それを惜しまずに、彼に寵愛を受けていただけるように使うだろう。
民主主義の国だ。私は国どころかその日暮らしの有様。傾けるものなんて何も無い。
ディスプレイの中の彼は平らだった。