(略)
先生の様に成れない理由は沢山在る事は解ります。
同じもの等在りません。社会と言う物は只今、平成も20を過ぎた所に在りまして、漱石が居た時とも太宰が居た時ともまるで違うのですから。
今の事を意識し、大きな大切なのはと申しますと、幾つか挙げますと以下等。人が多すぎます。教育が良くありません。
人が多すぎると言うのは、魅力無い平均化・下らない極端化をもたらしました。その中で私達は憧れすら持たずに生きられてしまうのです。一度足ろうと希望・絶望せずに大人に成りかける危うさ。内心を容易に吐出来る社会に強い人は少ない事を知らされます。こんなにも人は多いのに!悪い人は可哀想にも目立ち、社会を冷まします。
教育は死にました。私達が加害者・犠牲者ではなくて、それらは社会です。効率化にノマレタ結果でしょうかと思うのですが、私達は精神までもデフレイションの中に向かいました。確かに気高い人も居ますが、国を愛してる・自身を殺す程に声揚げる・孤独の中に学ぶ・美しさを知る、そういった事は既に異常になりました。
何度も`私達`と全て人を知った様な事を言いますが、私は知っておるのです。誰もが知っているのです。恐ろしいのか面倒臭いのか、誰も言えないだけなのです。
先生に教えて欲しいのです。先生に教えて頂きたかったのです。社会について等ではありません、個人の在り方を教えて下さい。
(略)
私の悩むのはきっと先生ならば分かって下さるはずと、あえぐようにこの失礼な物を送りました。
いつかでいいので、どうか。